さすらい人 Wanderer

旅のハナシ

 

おお、さすらい、さすらい、僕の楽しみ  おお、さすらい!

 僕に安らかに旅をさせて下さい。そしてさすらいを!   ミューラー

  

知らない町をさすらう時、僕は少年のような初々しい心になる。

 

これまでに訪れた数々の町や村、海や山、森の中の木々のざわめき・・・。

 

旅で出会った行きずりの人々の温かい心。

 

クヌルプのように、これからも旅を続けようと思う。

 

アメリカ

お世話になっているテレビのプロデューサーと、放送作家仲間とともに訪れたアメリカツアー。まずはラスベガスでのひと時。旅立つ前はショーの観劇が目的、ということで空港からフリーウエィを飛ばして行きましたが、ホテルのカジノに並んでいるスロットマシンにはまり、毎夜毎夜深夜まで没頭。初めはツイていたんですが、調子に乗りすぎて、すべてゼロに。ああ、早くやめておけばよかった・・・がっかりです。でも、華やかなショーを堪能できて大満足。ロスでは、同行いただいた現地の映画のプロデューサーの計らいで、ジェローム・ロビンスのミュージカル「ブロードウェイ」を観劇。「ニューヨーク・ニューヨーク」「ピーター・パン」「屋根の上のヴァイオリン弾き」「王様と私」など、名作ミュージカルの名シーンが次々と展開。本場の味に酔いしれた一夜となりました。さらに、ユニバーサルスタジオでは、童心に戻って思う恩分愉快に過ごしました。さすがショービジネスの本場。チャイニーズシアターでも大興奮。大いに刺激を受けた滞在となりました。

中国

日中合作映画のロケハンで、2ヶ月間に4度中国へ。上海を中心に、北京、さらに、ロケ先の内モンゴルへ。特にオルドスには、チンギス・ハンゆかりといわれる名所旧跡や、モンゴル特有のゲルの集落など、なかなか訪れることのできない場所を回りました。最も印象的だったのは、ゴビの砂漠。無限に広がる砂漠の雄大さに、大いに感動。初めて触れる砂漠の砂は、日本の海岸の砂とちがって、もっときめ細かく、まるで「粉」のよう。砂嵐というのは、小麦粉が舞っているような状態になるんだと実感しました。北京の天安門広場では、緊張した面持ちで毛沢東の写真を眺めました。ラストエンペラーの舞台となった紫禁城は、広さに圧倒。色鮮やかな建物も印象的です。古くから偉大な文化を花開かせた中国。かつての日本もこの中国を尊敬し、さまざまな分野にわたってお手本としていました。遣隋使、遣唐使として中国にわたることを、誇りに思い、夢見ていたのです。その姿勢はついこの間、江戸時代まで続きました。武士道や江戸庶民の教育の原点には、儒教の教えがあります。けれど、今は・・・。今度は、仕事としてではなく、個人で漢詩に読まれた地方や、孔子の足跡、さらに、日本の仏教の祖が学んだ地域などに足を運ばせてみたいと思いました。

フランス

憧れのフランス。夢のパリ。大学でドイツ文学を専攻していながら、なぜかパリが大好き。もう、町の中を歩いているだけで、大満足。特に、真冬のパリはとても印象的。日が短いので、明るくなるのが待ち遠しく、晴れていても急に厚い雲に覆われ、さらに、毎日のようにい霧がたちこめて、街全体が幻想的な雰囲気に包まれます。昼は町を散策、そして、夜はもちろんキャバレーのショーめぐり。時間が許す限り楽しみました。特にお勧めは「パラディ・ラタン」その名のとおり、ラテンのリズムに心が躍ります。パリの街には、やさしい居場所がたくさん。カフェーで働く年老いたギャルソン、ルーブル美術館の窓口のおばあさん。エッフェル等のレストランの、上品な老婆。メトロの恰幅のいい駅員さん。大人の文化が脈々と生きていることに、安らぎを感じます。スマホ片手に町を行く若者が多い東京とは違った暖かさに包まれたパリの街。見せ掛けだけの「おもてなし」や、わざとらしい一時的な「絆」を声高に叫ぶだけの日本人が、見習うべきものがたくさん感じられました。

飛鳥Ⅰ

かつて日本旅行作家協会の例会が、飛鳥Ⅰで行われた時の写真です。近年、豪華客船での船旅が盛んですが、やはり船旅は敷居が高いもの。喜び勇んで、停泊している横浜大桟橋へ。この日のスケジュールは、まず、船内見学、次に例会、その後豪華なショーを観て、夜は立食パーティ。日ごろはちょっと固めの例会も、当時の斉藤茂太会長のイキな挨拶を始め、みなリラックスした語り口で、心和んだ会となりました。もちろんショーも堪能。さらに、料理のおいしいことにびっくり。一流の客船は、何から何まで一流であることに、改めて感心してしまいました。「こんな豪華の船で旅ができたら・・・」ああ、そんなことは夢のまた夢・・・。浮世のわずらわしさもどこへやら、夢見る時間に身を任せた、至福の一日でした。